休廃止鉱山
休廃止鉱山の管理
当社グループが管理する主要な休廃止鉱山は、阿仁鉱山(秋田県)、足尾鉱山(栃木県)、飯盛鉱山(和歌山県)です。
鉱物を採掘した鉱山では、雨水などにより、閉山後も坑内、集積場※1から重金属成分を含む酸性の坑廃水※2が発生します。
そのため、当社グループでは、採掘を休止した鉱山においても、鉱山保安法および環境関係法令に従い、周辺への環境負荷の低減を図るために、鉱山施設(浄水場、集積場)に対し、以下の対策を実施しています。
- 1定期的な巡視・点検
鉱山施設(坑廃水処理施設、集積場等)の定期的な巡視と点検、水質監視を行っており、異常の早期発見に努めています。
- 2水質モニタリング
周辺、下流域の水質のモニタリングを定期的に実施し、環境への影響を常に監視しております。
- 3レジリエンス強化
想定外の降雨、地震等の不測な事態に備え、坑廃水処理能力増強、バックアップ施設の充実および集積場の安定化対策等の予防整備工事に努めています。
- ※1集積場とは、かつて稼働していた鉱山の坑内から採掘された有価物を含まない捨石や、選鉱場や製錬所での製錬過程で発生する廃棄物のほか、
坑廃水処理から発生する中和殿物などの鉱業廃棄物を最終処分するための施設です。当社グループでは、「たい積場」という名称を用いています。
- ※2坑廃水とは、鉱物を掘削した鉱山から湧き出る地下水「坑水」と、集積場から発生する浸透水「廃水」のことです。
当社が実施する具体的な鉱害防止措置および根拠法
根拠法 | 措置内容 |
---|---|
金属鉱業等公害対策特別措置法(公害対策特措法) | 坑道または使用終了の集積場から出る坑廃水の処理事業 |
鉱山保安法 | 使用中のたい積場に係る工事および坑廃水の処理事業 |
当社グループでは、上記根拠法以外に、近隣の自治体と公害防止協定を締結しており、国が定めた基準よりも厳しい水準での休鉱山管理を行っています。
坑廃水処理システム
坑廃水処理は、鉱山の坑内で発生する坑水および集積場から発生する廃水(いずれも重金属を含んだ酸性水)にアルカリ剤(石灰等)を投入して行う「中和法」が用いられています。中和法による処理では、浄化された上澄水(排水基準以下の処理水)と、重金属の水酸化物として沈降分離された中和殿物が発生します。上澄水は排水基準以下で河川に放流し、中和殿物は当社で管理している集積場で集積したり、産業廃棄物として処分しています。
足尾鉱山 坑廃水処理システム



レジリエンス強化の取り組み
古河機械金属グループでは休廃止鉱山管理の基本方針である「安全操業の継続」に基づき、鉱山施設に関する中長期計画を策定したうえで計画的に予防工事、レジリエンス( 災害への対応力) 強化を推進しています。
休鉱山管理にかかる設備投資費用(実績)
2000年から2024年3月までの設備投資総額は約57億円。
このほか、設備補修・災害復旧工事費、石灰等薬剤費等、維持管理費として毎年約3億円。
集積場 | 坑廃水処理 | 坑内 | 重機・通信 |
---|---|---|---|
約34億円 | 約17億円 | 約4億円 | 約2億円 |
主な工事事例

場所:中才浄水場
工事内容:入水路・石積補強整備工事
工事期間:2021年度~2023年度

場所:牛小屋たい積場
工事内容:安定化対策工事
工事期間:2015年度~2017年度
休廃止鉱山管理の永続的な安定財源確保に向けて
当社グループでは、半永久的な責任である休廃止鉱山の管理を全うしていくため、長期において安定的なキャッシュ・フローが得られる不動産事業の継続が必要であると考えています。
休廃止鉱山管理は、当社グループの社会的責任であり、将来の負担に備えて一定規模の資産を確保しておく、そのためのアンカー的な資産が不動産事業です。
中核事業(機械・素材)の収益力強化やM&A、新規事業等の投資とは分けて、休廃止鉱山管理を不動産事業の財源でしっかりと対応していきます。
緑化活動の取り組み
鉱山施設の緑化活動


鉱石の採掘を行っていた当時、鉱山では、鉱石を溶解するための燃料、家屋の建材、坑道の補強材(支保)として多くの木材が使用され、大規模な山林の伐採が行われました。また、当時、製錬所から発生する亜硫酸ガス対策の技術が確立されておらず、周辺地域の森林を枯死させてしまいました。そのため、当社グループは、公害解決に取り組む※3とともに、これらの土地に対し、継続的に植栽を行ってきました。現在、それらの土地は、保安林等として、水源の涵養、土砂の崩壊その他の災害の防備、生活環境の保全・形成の役割を果たしています。
また、役目を終えた集積場は、覆土緑化を行います。そして、継続的に肥料散布や定期巡視を行い、維持管理に努めています。
- ※3製錬所の亜硫酸ガス対策として、1956年(昭和31年)、古河・オートクンプ式の自熔炉製錬法(特許)を確立し、亜硫酸ガス回収、コスト削減に成功しました。その技術は国内、海外で認められ、多くの製錬所に導入され、環境負荷低減に貢献しました。
さくら植樹活動

当社グループでは、独自の緑化活動として栃木県日光市足尾町の社有地に桜の苗木1,000本の植樹を目指す「足尾さくら植樹会」を結成し、2009年3月に第1回を開催して以降、毎年植樹会を開催しております。2024年4月に第12回目となる植樹会を開催し、当社グループの従業員とその家族を含む73名が参加しました。今回は60本のソメイヨシノを植樹し、これまでに植樹した桜は合計660本に達しました。
また、2024年4月に足尾町松木地区の社有地内で、7回目となる「古河の森植樹会」(主催:栃木古河会※4)が開催され、栃木古河会の会員19社78名が参加し、40本のソメイヨシノを植樹しました。両会ともに、今後も活動を継続していきます。
- ※4栃木古河会とは、栃木県内の古河グループ各社による組織です。